排水管爆発。

排水管が、爆発した。

つい先日のことだ。外出先から帰宅後、外出直前に回しておいた洗濯機が、異様な唸り声を上げていた。洗濯機を回してから既に2時間程経過していたので、本来であれば任務終了しているはずなのだが、何故か未だ、けたたましい音と共に回り続けていた。

まさか故障…？と思い、慌ててスイッチを消して様子を見ようと試みたが、一度スイッチを入れると、洗濯が終わらない限り、扉を開けて洗濯物を取り出せないのが、イギリス流だ。

困ったな…と思ったがどうすることもできないので、とりあえずまずは手を洗おうと水道のレバーを捻った所、何故かお水が全く出なかった。一応雀の涙程のちょろちょろ系お水は出るのだが、全くもって使いものにならないし、時間が経つとあっさりと息絶えてしまう。お水が完全に出なくなるのも、時間の問題だった。

ぽろちは、動揺した。ぽろちが知る限り、断水のお知らせなどは一切聞いていなかった。 もしや不動産屋との連絡係である配偶者が、ぽろちに伝え忘れたのだろうか。

よくわからないが、とにかくぽろちは、お水が出なくなったことですっかり気が動転してしまった。というのも、外出先でずっと我慢していた膀胱が、そろそろ限界をむかえていたからだ。お水が出ないということは、当然おトイレが使えない。13時間程おトイレに行かずとも耐えれる膀胱を持っているはずのぽろち、まさかこの場で人としての尊厳を失って、ジ・エンド？

焦ったものの、まずは仕事中の配偶者に電話をして状況説明。それから一つ一つ確認作業をすると、洗濯機とキッチンの水道、お風呂は使用できなかったが、何故かおトイレと洗面台の水道は使用できた。なので、ぽろちが漏らして全てを失うことは、ひとまず回避されたのである。

当初は、ぽろち宅のみが断水にあったのかと思ったが、救いだったのは、ぽろち宅だけではなく、我がフラット全室だった。予告なしに断水した輩には怒りがこみ上げたが、夕方には復旧しているだろうと、ぽろちも配偶者もそう深刻に考えていなかった。

だが、夜になっても復旧しなかった。

さすがにおかしい。フラットの住民もざわつき始め、ついに例のおデブが先陣切ってクレームの電話をしてくれた。 普段はわんちゃんのうんぴっぴを始末しないし、4月に使った焦げたバーベキューセットを未だ片付けず、裏庭に放置しているおデブだが、この時ばかりは頼りになった。ぽろちと配偶者は全てをおデブに託し、ジムでシャワーを浴びることにした。

おデブの活躍もあり、日付が変わった頃になんとか水道は復旧したのだが、原因は不明。直って安心といきたいのだが、今度は、水道が流れているような、得体のしれない音がずっとキッチン周辺で鳴り響くようになったのだ。なんだろう…とずっと思い、2日後、ふと窓を見ると、外ではこんなことになっていた。

少々わかりにくいが、壁からお水が噴き出していたのだ。

気づけば裏庭は水浸し。外にある排水管が破裂したとかで、お水が延々と噴き出す始末だ。不幸にも、お水が噴き出す壁から最も近かったのは、ぽろち宅。そこからが大変。ぽろちと配偶者は不動産屋さんによる確認や、水道屋さんへの応対などを余儀なくされてしまったのだ。

現在は全て元通りになり、再び静かになったぽろち宅。本当にハラハラした数日間だった。