横浜中華街の名を汚すテーブルバイキング。萬金楼。

公表していなかったが、この度イギリスビザ切り替えのため、ぽろちと配偶者は先日日本へ一時帰国していた。エディンバラ空港で朝食を食べていた時は、今流行りの言い回し、「日本へ帰国したら必ずしたい10のこと」的なリストを作成し、しめしめと野望を抱いていたのだが、いざ成田空港に降り立つと10のリストなんてどうでもよくなり、むしろずっと日本にいたような感覚に陥ったのだ。要は、海外から帰国した方々が改めて日本の良さを実感するような感動というものはなく、即行で日本に馴染んだぽろち。しかしその一方で、配偶者はどうも感覚が戻っておらず、道行く人やレストランなどで、素で「ソーリー」や「アハン」などと相槌を打っていた…。

ぽろちはビザ切り替えのためだけに東京に滞在し、任務終了後に実家のある北海道へと向かった。そのビザ切り替えの合間を縫って、「せっかくだから何か食べよう!」とうことで、横浜中華街に行った、ぽろちと配偶者。


この日は、生憎の雨。かなり悪天候で雨脚が強く、徒歩は厳しいものだった。エディンバラは雨が降ってもすぐ止むが、日本は一度降り出すと止まないのがやっかいだ。ぽろちと配偶者はどんよりした気持ちで中華街に行き、お目当ての横浜大飯店へ向かったが、残念ながらそのお店は水道管だか何かが故障し、お店を閉めていたのだ。


途方に暮れたぽろちと配偶者。どうしたもんかと思っていたところ、急に配偶者に落ち着きがなくなった。実は、配偶者はお腹が空くと異常に身体が冷たくなり、西野カナ並みに震えだすのだ。嘘ではなくまぎれもない事実で、当初ぽろちはこの件にかなり引いた。全身で空腹を訴えてくる配偶者に少々イラつきながら中華街を歩いていると、何者かに突然レストランの割引券をもらい、よくわからず流されるまま、このレストラン、萬金楼に入ってしまった。



こちらは、テーブルバイキング。なんでも100種類以上の品数の中から好きな料理を注文できるそう。おまけに、無制限。続々とお客さんが来店し、開店と同時にほぼ満席。よくわからぬままぽろちと配偶者は入店してしまったが、この混雑具合を見ると料理には期待できるな、とぽろちと配偶者は確信した。店員さんは全て中国人で、若干無愛想で失礼な点もあったが、まあ、我慢。


前菜よりもなぜか先に来てしまったのが、こちらのエビチリ。正直、かなり貧相なエビチリだ。「とりあえずエビチリ風にしてみました」的なエビチリ。しいて言えば、盛られる量が少ないため多くの品数を食べれるというところ。しかし…このエビチリの容姿はいただけない。完全に熱意が感じられないエビチリだ。恐る恐る食べてみたが、まあ、なんというかエビチリ風だった。配偶者は「おいしいよ」などと言っていたが、次きた麻婆豆腐に一気に撃沈した。


この麻婆豆腐。四川麻婆豆腐との記載があり、一見普通。しかし、配偶者が勢いよく食べた瞬間、突然顔を顰めバツサインを出してきたのだ。ぽろちが食べてみると、これはもうお呼びでないな…と感じ、麻婆豆腐には戦力外通告を出させていただいた。まず、冷たい。冷蔵庫に入って冷やしていたのか、というほどかなり冷たい麻婆豆腐だった。いや、本場中国では麻婆豆腐を冷やして食べるものなのか…と譲歩し、一瞬だけ通達した戦力外通告を破棄しようと考えたが、ない。これは、ない。冷めた麻婆豆腐?ない。冷めた麻婆豆腐が幅を利かせてる店は失格だ。


この冷めた麻婆豆腐の件で、食欲が根こそぎ奪われたぽろちと配偶者。ザーサイをつまむ気力しか残っていなかったが、次に来た炒飯がこのお店ではまともだったため、若干気持ちが浮上。


あまりおいしそうには見えないが、このお店ではまともな炒飯だった。


しかしキムチ炒飯はなぜか同じお店で産まれたとは思えない別人っぷり。全然ダメ!ミックスベジタブルにノスタルジーを感じる余裕なく、ぽろちと配偶者、キレる。


これはもうコメントのしようがなく笑うしかないのだが、どの辺りが北京ダックなのか不明な偽りの北京ダック。ソースの味しかしなかった。

他にも数点頼んだのだが、これ以上皆様のお目を汚すわけにはいかないので、割愛させていただく。このお店が混雑していたのは、おそらく我々と同じように訳もわからず割引券をもらい、とりあえず入店された方が多いのだと思う。ここは日本ではあるが、中華街。中華街だからこんなにずさんなんだ、と思い気持ちを落ち着けるしかなかった。ぽろちと配偶者は何ともいえない気持ちで中華街を後にし、渋谷のマクドナルドでポテト休憩をした。ポテトは、癒しだ。

★☆☆☆☆(1/5)
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