奇妙なイギリスのレギンスファッション。

エディンバラに住み始めて1年以上経つが、ぽろちはここでまだ一度も洋服を購入したことがない。靴やストールといった物は何度か購入したが、自分好みの服が見つからないことや、素材や質、サイズやフィット感といった観点から、なかなか購入できずにいる。

一度、ボトムスを購入しようと試みたことがある。当初はロンドンのユニクロに行って、思う存分買い物しようかと思っていたのだが、「洋服を買うだけのためにロンドンには行けません」と配偶者にあっさり却下されたため、ユニクロへ行く夢は砕け散ってしまった。ネットで購入して届けてもらおうかと思ったが、トップスならまだしも、ボトムスの場合試着しないと購入できない。仕方ないので,配偶者が仕事で不在の平日に、1人で某ブランドに行き、 吟味する次第となった。

正直、ぽろちはここイギリスで買い物するのが嫌いだ。英語がまるでさっぱりなので、例えば買い物中に突然「何かお探しですか?」やレジで何か話かけられても、臨機応変に対応することができない。 一応、付け焼き刃の知識はあるものの、それを実践できるかは不明。だからこそ、自動レジ以外の場所での買い物は、配偶者がいるときにしか極力しない。それでも自動レジがない某ブランドにやってきたのは、配偶者がいては服もろくに選べないからだ。色々緊張しながら物色していたが、幸い誰も話しかけてくるスタッフがいなかったので、ぽろちはつい油断していた。

お目当てのボトムスコーナーで吟味していると、ぽろちには不思議でならないレギンスが大集合していた。イギリスに来た事がある方は一度は目にしているだろうが、こちらの女性、何故かレギンス1枚で歩いている。ぽろちの感覚で言えば、レギンスはスカートやキュロットなどにあわせるものであって、それをボトムスとして1枚で履くものではない。しかし、こちらの女性は、例え下着のラインや形がくっきりと露になろうと、お尻の割れ目や太ももの太さなどが一目瞭然になろうと、レギンス1枚ファッションの方が多い。もしかしたらジーンズよりも多いのではないか…と思う程、レギンス1枚ファッションが浸透しているのだ。

www.tonimikulka.comからいただきました

「なんでレギンス1枚で歩けるのかな…」とぽろちが興味本位でレギンスを手にしたところ、突然親切なスタッフが「着てみない?とても楽だし、あなたにきっと合う…×△□%」と話しかけて来た。最後の方は全く何を言われているのかはわからなかったが、とにかくレギンスをかなり勧められてしまい、ぽろちは動揺のあまり一気に脇汗。なけなしの英語で「ヒップが…」みたいなことを言うと、「ヒップのラインを強調するからいいのよ!」と言われてしまった。

動揺しながらも、自分がこのレギンス1枚で街を闊歩しているところを想像し…ダメだ。胴長短足のチビデブぽろちがレギンス1枚で歩くとなると、お尻から太ももにかけてたっぷりと蓄えているセルライトや、お見苦しいお尻、太い足などが、一気に露になり、自分の体型にゲロりそうになった。スタッフさんに「自分には似合わない」というようなことを言うと、「レギンスが似合わない人なんていない」と更に推された。困ったぽろちは慌てて「ソーリー」と言って何とか逃げ切ったが、街行く女性のレギンス1枚ファッションに辟易し、目が潰れた。

恐らく日本にも、外国人の方から見れば変に思うファッションがあると思う。けれど、この下着のラインやお尻の割れ目丸出しレギンスファッションは、目のやり場に困るし、とても破廉恥だと思う。レギンス1枚姿のダイナマイトなバディーの女性が、おそらく綿100%の下着をお尻に食い込ませているのが露になっていたのを見て気持ちが沈んだし、だからといって、ナイスなバディーの女性がTバックのラインを公にしているのを見ても、気持ちがざわつく。

何が言いたいかって、結局ぽろちは、ボトムスを購入できなかったのである。
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