カモメの糞。

エディンバラもようやく春になったかと思えば、突然雹が降り冷え込む日々に逆戻り。仕舞ったヒーターをまた出す程、また寒くなってしまった。しかし、そんな天気ではあるが、桜が満開になったり、蜂や虻や蜘蛛に悩まされたりと、確実に季節は動いている。越冬のためにどこかに行っていたカモメも、またやってくるようになった。


ぽろちと配偶者は、ここ最近このカモメ達に悩まされている。日本では頻繁にカラスに襲われ、ある時は糞をかけられた上に突然頭にタックルされ、ある時は大事な書類を破られたりと、散々な目に遭わされたぽろち。幸いこのエディンバラでは、カラスにあまり遭遇することはないので安心していたのだが、このカラスの役目をカモメが担うようになってしまった。

渡英した当時、何故かぽろちはウミネコに目を付けられてしまい、ダストボックスにたむろするカモメに威嚇されたり、自宅の窓際に何かの死骸を置かれたりした。これではまるで何かカモメに対して悪いことをしたように思えるが、別にぽろちと配偶者は、カモメと友好関係を結ぼうとして関係が険悪になったこともカモメをイジメたこともない。ぽろちと配偶者は、カモメと無関係のはずなのだ。

しかし、何故かカモメによく威嚇される。この不良カモメに対して何か対策を打とうかと思ったが、挑発する結果となり更に嫌がらせされては困るため、ぽろちと配偶者はカモメ達が越冬のため温かい地に旅立つまで耐える事にしたのだ。こうしてカモメ達が留守であった冬のエディンバラは、快適に過ごせたわけである。

だが、季節は春。あの忌々しい不良カモメが蔓延る季節となってしまった。ぽろちと配偶者はカモメ達に対して細心の注意を払って生活していたため、幸いちょっとした威嚇程度で済んでいた。そう、昨日の配偶者誕生日パーティーまでは…。

配偶者誕生日パーティー後、気分良く帰宅したぽろちと配偶者。途中、カモメに出会ったが気持ちが大きくなっていたのか、強気の姿勢で歩いていた。どうやらそのカモメは、ぽろちと配偶者の臆しない態度に怯んだようですぐ様去っていった。この一件でぽろちと配偶者は「もうカモメを恐れる事はない」と油断してしまい、更に強気で家路に向かったのだ。

その時、ふと頭上に何か異変を感じた。何かが滴る感覚。どうやら配偶者も、その異変を感じ取ったらしい。お互い顔を見合わせた瞬間、また何か頭上に違和感を感じた。そして、除々に浸透する得体の知れない物。全てを悟ったぽろちと配偶者は、お互いの頭を見合わせ、そして静かに笑った。

そう、カモメに糞をかけられたのだ。

もうあまりに絶望を感じて口を開く気力もなく、大急ぎでぽろちと配偶者は自宅に戻り光の早さでシャワーを浴びた。あの忌々しいカモメ達が、ほくそ笑み馬鹿にしながらぽろちと配偶者に糞をかけたかと思うと悔しくて仕方ない。何とも言えない糞の匂いにむせ返りながら、何度も何度も髪を洗ったが、このやるせなさはしばらく続きそうだ。


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