ドイツ旅行。3. Matsuri in フランクフルト。

美食の街ドイツはフランクフルトで、まさかもう絶対、二度と食べたくない料理に出会うとは思ってもみなかったぽろちと配偶者。すっかり戦意喪失し、やる気を根こそぎ削がれた2人はほとんどフランクフルトを観光もせず、スターバックスやダンキンドーナッツで休憩し、今夜のディナーのためにもう一度、食への貪欲さと探究心を見つめ直すのであった。

そう、全ては久しく口にしていない、焦がれていた日本食のために。フランクフルトの日本食レストラン、Matsuriのために。


ドイツまできて日本料理?と思われた、あなた。所詮異国の日本食でしょう、と侮るなかれ。もはやエディンバラの日本食レストランにありふれている、外国人魂溢れるカラフルでクレイジーなお寿司や、ただお味噌汁に麺がドロップしただけの悲しい味噌ラーメンに、諦めで雀の涙すら出ない我々が念入りな調査を重ねた結果、トリップアドバイザーで非常に好評価だった、Maturiを見つけたのだ。

場所は閑静な住宅街の一角に、ひっそりと佇んでいる。観光地やメイン通りからは外れており、iphoneのgoogle mapを頼りに到着。休憩が吉だったのか、昼間のカフェでの斬新な料理のことはすっかり忘れ、我々は期待と興奮ですっかり空腹になっていた。

開店と同時にお店に到着すると、「本日はご予約されたお客様のみご案内しております」と日本語とドイツ語の張り紙があった。トリップアドバイザーの評価通り、紛れもなくかなりの人気店と思われる。予約は必須だと改めて感じた。

門の前でマスターが迎えてくれた。お店の名前'Matsuri'にかけているのか、これからお祭りにでも出かけるかのようなハチマキにハッピ姿のマスターは、少々緊張気味の我々に気さくに話しかけながら、気前よく迎えてくれた。このマスターはとても話好きなのか、マシンガンのように息をつく間もなく話し続ける。冗談を交えてウィットに富んだ会話を演出してくれるのだが、本当に申し訳ないことにマスターの掛け合いが理解出来ず、ぽろちは面食らっていた。配偶者にその場を任せぽろちは二人のやり取を見物。

店内は一般的な日本のお寿司屋さんといったところだが、カウンター席はなく、記憶が曖昧だがテーブル席が六つ程だったと思われる。こじんまりとしているため、隣席との距離がかなり近く、通路にも余裕がない。椅子を引けば隣席にぶつかってしまう。若干落ち着かないが、収容人数が少ないので、そこまで気にならないかもしれない。

まずはワインを。お店の名前である「祭」とラベルされた白ワインを選択。ぶどうはRiesling(ドイツにおいて最も重要な地位を占める白ワイン用ぶどうの品種らしい。wiki参照)とのこと。お味はすっきりとしていて飲みやすい。甘口が好きな方には物足りないかもしれないが、程よい甘みと辛さがおいしい。大変申し訳ないのだが、当時我々は気持ちが高揚していたため、ワインの写真を撮るのをすっかり忘れてしまった。とんだ失態である。

まず手始めに、もずく酢と冷や奴を注文した。久しぶりのお通しである。こちらも申し訳ないことに写真を撮り忘れてしまったためお見せできなく心苦しいが、美味しかった。

続いて、メインのお刺身。マスターが、「プロの盛りつけと奥さんが作るような主婦の盛りつけどちらがいいか」と尋ねてきたので、プロでお願いします、と配偶者が注文した。配偶者はお店とマスターの雰囲気に大分慣れたのか、持ち前の明るさとポジティブさでマスターの会話に食らいついていたが、ぽろちはというとマスターの冗談とトークに全くついていけず、終始苦笑いだった。


お刺身には厚みがあり、脂もそれなりに乗っていて、おいしい。醤油の味にお刺身の味がかき消されてしまいそうなので、お刺身に何もつけずに頂いたが、日本のお刺身と全く変わらない質だった。異国でこの完成度は、素晴らしい。

そして、お寿司。


 上記で紹介したワインは、こちらの写真で確認して頂きたい。お寿司のシャリがかなり甘くて柔らかかったことが若干気にはなったが、ネタはおいしい。時間をかけてゆっくりと頂いていると、マスターが「ちらし寿司はどうですか」と、人気なのかしきりにちらし寿司を推しているので、ちらし寿司も注文した。

こちらが、そのマスター推しのちらし寿司。


具沢山で、ぎっしりとネタが詰まっている。やはりシャリは甘くて柔らかいので苦手だが、マスター曰くこのシャリは関西風とのことだ。毎日のようにぽろちにレッドカードを上げられてしまう程の早食いの配偶者は、本当においしかったのか、この日は時間をかけて噛み締めていた。

デザートは抹茶アイスを。
濃厚な抹茶の香り、そして粘り。これは手作りでは?ここまでマスターはこだわっていらっしゃるのか。もう、ここで弟子になってフランクフルトで第二の人生をスタートしようではないか!!と考えているうちに、写真をとるのも忘れてアイスを完食してしまった配偶者。

フランクフルトに今度訪れる機会があったら必ず来たいと思う、レストランである。素敵な雰囲気、気さくだけど妥協を許さないマスター、そして最高の料理。お昼のカフェでの苦い思い出が見事に帳消、いや一気にプラスに転じた夜となったのであった。

★★★★★(5/5)

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