TBS ぶっこみジャパニーズで紹介されたエディンバラのラーメン屋に潜入!Maki & Ramen Sushi Bar。

本日、日本にいるぽろちの母から「エディンバラのラーメン屋さんがテレビで紹介されていた」と連絡を受けたぽろち。母から聞いた情報によると「ラーメンにヨーグルトをいれたり、麺を水でリンスしている」とのこと。ラーメンにヨーグルト?麺を水でリンス?自称エディンバラのグルメブロガーであるぽろちと配偶者が、そんなヤバいラーメン屋さんを知らないなんて…。日本を戦慄させたヤバいラーメン屋さんが、本当にエディンバラに存在するのだろうか。今回、そのラーメン屋さんを身体を張ってお伝えするべく、ぽろちと配偶者はMaki & Ramen Sushi Barに潜入した。


その問題のレストランは、エディンバラ大学のメインキャンパスからほど近い、ニコルソン・ストリート(Nicholson St.)から一本入ったウェスト・リッチモンド・ストリート(West Richmond St.)沿いにひっそりと看板を出している。


食事のレポートに移る前に、そのラーメン屋を紹介していたテレビ番組 "TBS ぶっこみジャパニーズ 大好評につき第5弾!世界中のニセジャパン 年末一斉大掃除SP"で放映された内容をかいつまんで説明すると、

・ラーメンの麺はインスタントの乾麺で、茹でた後に水でリンスする。
・豚骨・ブレックファースト・ラーメンなるメニューがあり、具材はスコティッシュ・ブレックファーストのメニューである、ハッシュドポテト、煮豆、ブラックプディング、そしてスープにヨーグルトが入っている。
・いなり寿司を天ぷらにして揚げるメニューがある。
・ラーメンデリバリーがあり、アルバイトのスタッフが道に迷って麺が伸びきった40分後に到着。

このようなダメダメな料理を提供するとされるMaki & Ramen Sushi Barに、日本のラーメン界の有名人扮するラーメン侍が、実際に味噌ラーメンを振る舞い成敗する、というストーリーであった。

では実際に店内に入ってみよう。


今年の4月にオープンしたとのことで、店内はこじんまりとしていながらも清潔感がある。テーブル席は一つ、メインはカウンター席だ。


テレビで紹介された通り、壁には新宿のネオン街をモデルにしたという、謎の日本語が所狭しと並んでいる。かなり解読不可能な日本語ではあるが、イギリスのファッションブランドである「Superdry. 極度乾燥(しなさい)」も奇妙な日本語を使用しているので、許容範囲かなという感じ。


まずはお水とお茶を頂く。お水はもちろんであるが、こちらのレストランでは嬉しいことにお茶も無料!おそらくチャイニーズスーパーで購入したと思われる、日本のティーバッグ。美味しい。


テレビに出ていた香港人のマスターからメニュー表を頂き、おそるおそる覗き込むと…。


…普通だ。Hell Ramen(地獄ラーメン)、Salmon Broth Ramenや、豆腐入りの味噌ラーメンなど見慣れないメニューがあるものの、ポテトや豆の入った豚骨・ブレックファースト・ラーメンなど見当たらない。揚げたお稲荷さんも載っていない。そしてお値段も£8.6(約1500円)と、イギリスのラーメンではかなりリーズナブル。テレビでは2100円?高い!と言われていたようだが…。もしかしたら、ラーメン侍が成敗後に改心して、メニューや値段が変わってしまったのかとも思ったが、お店のFacebookページで過去のメニューを確認すると、どうやら開店からメニューや値段は変わっていないようである。

ひとまず、配偶者は豚骨ラーメン、ぽろちはカウンターに置いてあったボードに書いてあるBurnt Shoyu Ramen(焦がし醤油ラーメン)、そして餃子をオーダーした。

はたしてインスタント麺を水でリンスしたラーメンが出てくるのか…。せっかく来たんだから、その問題のラーメンを食べてみたいような、みたくないような、複雑な心境で待つ、ぽろちと配偶者。その間に、メッセージを書いて壁にぺたり。


いよいよラーメンのお出ましである。

配偶者のとんこつラーメン。


…。普通だ、いやむしろ美味しそうだ。煮卵の黄身がやや生っぽいところ以外は、これといって突っ込みどころがない。

気になる麺はこちら。やや細めのストレート?


一気に麺をすする配偶者。ややのびていて噛み応えはあまりないが、インスタント麺を水でリンスしたとは思えない。一昔前の生麺、くらいの味わいだ。これには配偶者は拍子抜け。スープをすするも、やや薄めの豚骨ラーメン。ここは海外であるということを加味したら可もなく不可もなくといったところではないだろうか。

ぽろちの焦がし醤油ラーメン。


ビビリながらスープを一口飲んでみると、普通に美味しかった。海外のラーメン屋さんでこのスープを提供できるなんて、素晴らしいと思った。麺はお水でリンスしていないようなので安心したが、伸びきった感じがあるのでペケ。煮卵も色々と壊れているのでペケ。決して完璧なラーメンとは言えないが、海外でこのレベルのラーメンならば合格ではないだろうか。

こちらは、餃子。


チャイニーズスーパーに売っている冷凍餃子ではなく、手作り感溢れる肉々しい餃子だったことは評価したい。だが、絶賛する程美味しい餃子ではなく、特に可もなく不可もなくといったお味だった。

焦がし醤油ラーメンのスープが気に入った配偶者は、お皿を下げに来たマスターに、「焦がし醤油のスープが美味しかった!」と感想を伝えると、「ウエダミサエって知ってる?このスープは、その人からマスターシェフが直接ならったんだよ」とウエダミサエさんのサインした器を見せてくれた。


このウエダミサエさんが、何を隠そうテレビの中でこのラーメン屋を成敗したラーメン侍なのだ。テレビでは味噌ラーメンを教えていたが、実際にはご本人お得意と思われる焦がし醤油を伝授していたのか…。なんでそのシーンをやらないんだ…。

さらに、 マスターは「ちょうど日本で、うちのラーメン屋が放映されたんだよ。僕らのFacebookサイトでも紹介しているからチェックしてみてね!さっきからずっと色々なコメントが来ていて、今日はその対応で忙しかったよ。最初はネガティブなコメントが多かったけど、エンターテイメントだと説明してくれたら分かってくれたコメントも増えてきてよかった」と話していた。

何から何まで肩すかし。ここエディンバラには、日本を恐怖に陥れたラーメン屋の存在はなく、"可もなく不可もない海外のラーメン屋"でしかなかった。ちなみにこちらのラーメン屋は、おそらくデリバリーも行っていないようだ。

家に帰って、この番組を観た人達の反応をツイッターなどで見てみると、残念な事に多くの人が、イギリスの料理はやっぱり酷いんだ、という感想を抱いたようだった。

これまでこの"エディンバラ〜ポテトこぼれ話〜"で、主にエディンバラのレストランについて、ぽろちと配偶者の正直な感想をお伝えしてきたつもりだったが、趣味とはいえ、ぽろちと配偶者がずっと伝えたかった、「エディンバラはとても素晴らしい所で、美味しい物もたくさんあるよ!」いうメッセージが、今回のテレビ番組のせいで、一気に踏みにじられたようで怒りを覚えたし、悲しい気持ちになった。
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