就寝前に必ず訪れる空腹を少しでも紛らわそうと思い、食レポ番組などをyoutubeで観始めたのだが、大食いとはまるで無縁に思える容貌の選手達が、豪快に気持ちよく食事を平らげていく姿に、すっかり魅了されてしまったのだ。
特にラーメンは、ヤバい。
選手達が懸命にラーメンを啜る様に、ぽろちと配偶者のラーメンに対する欲求が頂点に達してしまったのだ。食べに行こうと思ったが、気軽にラーメンを食べに行けないのが、ここイギリス。ラーメンはあるにはあれど、特別そそられない。なにかが違うのだ。
ならば、もうここは、ラーメンを自分たちで作るしかない。ないなら、作る。食べたいなら、とりあえず作る。それが、海外在住の使命でもある。
インターネット上で見つかったレシピと、自宅にある残り物の食材を考慮し、今回は「角煮醤油ラーメン」を作る次第となった。「何故角煮?チャーシューは?」と思うだろうが、そこは目を瞑っていただきたい。わざわざ買い物には行かず、あくまで「自宅にある材料で作る」というスタンスでいく予定なので、かなりオリジナリティー溢れるラーメンとなることは確かではあるが、そこはご容赦いただきたい。
ちなみに、最近ではキッチンにも立たず、冷蔵庫すらも開けず、専ら食べる係に徹している配偶者だが、理想のラーメンを作るということで、かなりやる気満々である。配偶者には、メンマ係と味見係を任命した。
まずは、ラーメンの命であるスープを準備。豚バラ肉を一口大にカットし、さっと炒めてる。そして、炒めた豚バラに沸騰させた水を入れ、1時間弱茹でる。お肉から出汁をとるのだ。
最後は麺である。今回は、ネットでも紹介されていた「重曹を使ってパスタを中華麺に変える」という裏技に挑戦。イギリスのスーパーで売っている、こちらの重曹を使用した。
ぽろちがを麺を調理中、聞いてもいないのに、理系先輩である配偶者の講義がはじまり、かなりウザかった。配偶者曰く、「重曹、つまり炭酸水素ナトリウムの水溶液がアルカリ性であるため、その水溶液で茹でると、パスタの原料である小麦のタンパク質が変性して、収縮し、コシが生まれるとのこと。また、重曹は、小麦粉に含まれる色素を黄色に変えたり、あの麺の風味を出すのに一役かう」のだとか。
そんなこんなで、茹でながら菜箸で麺を確認すると、もったりとした感覚と共に、ラーメン香りが!すごい!パスタからラーメンの香りがする!ラーメンだ!麺のお湯をきって、スープをイン!そして先程準備した角煮とメンマ、そして刻みネギをオン!完成です!
まずスープを一口、そして麺を一気にすする。お店のラーメンとはほど遠いし、見栄えも良くないし、かなりオリジナリティー溢れるラーメンだが、確かにラーメンだった。欲を言えば、もう少し麺がラーメンに近づき、さらにちぢれ麺であれば文句なしだが、これはこれで満足だし、初めて試みにしては我ながら素晴らしい出来映えだと思う。
ぽろちと配偶者、顔を見合わせガッツポーズ!これはまさに、醤油ラーメン!
自宅でも、海外でも、ラーメンは作れる!
ぽろちと配偶者、顔を見合わせガッツポーズ!これはまさに、醤油ラーメン!
自宅でも、海外でも、ラーメンは作れる!