1月のアップルタルト

先日、仕事から帰宅した配偶者に早々「来週のミーティング、ケーキ係になったから。よろしくね!」と面倒なことを言われた。

かれこれ数ヶ月前に、配偶者の職場には、週1で設けられる殺伐としたミーティングに花を添えるために、上司から指名された人がお菓子を用意する、通称「ケーキ係」という謎のシステムがあるということをお伝えした。不幸にも10月に配偶者がそのケーキ係に任命された際は、スコーンを作ってなんとか凌いだのだが、あの時は「スコーンの本場であるイギリス人に対して外国人であるぽろちと配偶者がスコーンを作り振る舞う」という自殺行為のような選択をした配偶者が不思議で仕方がなかった。それに加え、自分の事であるにも関わらず率先して手伝いも作ろうともせず、スコーンが出来上がった頃にのこのこやって来てあれこれ指示を出してくる配偶者には、ほとほと飽きれた。

そういうわけで、例え今度ケーキ係に配偶者が任命されたとしても、配偶者がメインで作り、ぽろちの役目は配偶者のサポート程度にしよう、と心に決めたのである。

しかし、それがどうだ。配偶者は「今度はタルトにしようかな。アップルタルトとかどう?作れる?作って!」といけしゃあしゃあと言い出したのだ。しかもご丁寧にレシピまで検索し、「こんな感じで!よろしく!」と注文もつける始末。口では「手伝うよ〜」と言ってはいるが、何故かニヤニヤしているし、明らかに自分で作る気配は皆無。ふざけている。わざわざ作らなくても、別に市販のケーキでいいではないか。

結局なんやかんやでぽろちが作るわけだが、家族に出すのとは訳が違い人様に振る舞うためには、それなりにシュミレーションをしなければならない。どう作ればカスタードクリームをベストにできるか、アップルコンポートの砂糖の量、タルト生地の形など、ほぼ毎日一週間程試行錯誤をして、ようやく完成したアップルタルトがこちら。ちなみに配偶者は、シュミレーション1日目にりんごの皮むきだけ手伝ってくれた。


早朝に起床して配偶者の出勤時間までになんとか作製したのだが、見た目はどうあれ、まあなんとかなったと思う。味の方は不明だ。タルトと朝食が出来た頃にのこのこ起きてきてまた指示を出してくる配偶者にはかなりイラついた。

タルトが売れ残って配偶者が証拠隠滅のためこっそり食べて帰ってくるのではないか、と心配であったが、嬉しい事に職場での評判は上々だったようだ。すっかり綺麗になったお皿を持って帰って来た配偶者は機嫌良く、次もまた頑張ろうね!とさもチームプレイで爽やかに戦い抜いた雰囲気を醸し出していたので、ぽろちは乾いた笑いで返すしか無かった。本当に、ちゃっかりしている。次回ケーキ係に任命された際は、本当に配偶者1人で取り組んでもらうことを切に願うが、そもそも配偶者には面倒なケーキ係に任命されないようにしてもらいたいものである。

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