ハギス!

世間ではイギリス料理は総じて「美味しくない」との評判のため、「食に貪欲で、いつまでも食への探究心を忘れずチャレンジャーでいたい」と掲げるぽろちと配偶者も、やはり世間の評判は無視できず、イギリス料理への偏見はなかなか消えない。もちろん、予想をはるかに裏切るようなおいしい料理もきっと…あったと思うが、記憶をひっくり返しても今すぐ出てこないので、まだまだ偏見をぬぐい去るにはほど遠い。しかし、これはぜひ日本に持って帰りたいと思う食材がある。それは、スコットランドの伝統料理である「ハギス」だ。

ハギスとは、茹でた羊の内蔵のミンチと、オート麦や玉ねぎ、各種スパイスを混ぜて、羊の胃袋に詰めた物である。これだけ聞くと「なんかヤバい食べ物…?」と思ってしまうが、見慣れないのはハギスの容姿のみだけで、あくまでぽろちと配偶者の好みだが、お味は全然ヤバくなく美味しい。しかしもちろんハギスが苦手な方もいるわけで、2005年当時フランスのジャック・シラク大統領は、「ハギスのような料理を食べる連中は信用がならない」と言ったとか。これに対してイギリスメディアは猛反発したそうだが、当時のイギリス外務大臣は大統領に賛同したため、更に国民の怒りに火に油を注いだそうだ。また、2005年当時アメリカ大統領ブッシュも、エディンバラでの会合を前にハギスが苦手だということを口に出したらしい。

国のトップが思わず口走ってしまう程美味しくないのだろうか…?と思ってしまうかもしれないが、もう一度言わせていただく。とても美味しい。

 エディンバラに住み始めて以来、ぽろちと配偶者はハギスをよく食べる。ほとんどはパブやレストランでハギスを食してきたが、最近は自宅で心行くまで食べたい、と思い始め、恐縮ながら自宅で調理をしている。


先日はこちらのお肉屋さんでハギスを購入した。もちろんスーパーでも手軽にハギスを購入できるが、がなんとなくお肉屋さんに方がおいしいはず… と思い、お肉屋さんに訪れた。


こちらが購入したハギス。ハギスの調理方法は様々で、 「電子レンジで温める、オーブンで焼く、缶詰ハギスはフライパンで炒める」など色々あるとのことだが、スコティッシュの知人に尋ねたところ、茹でるのが本来のハギスの食べ方であり、他は邪道とのこと。ハギスの大きさによって調理時間は変化するが、我々の愛しのハギスは1時間程茹でた。


ちなみハギスを包んでいるビニールは取らず、ビニールをつけたそのままの状態で茹でる。茹でている間に、付け合わせのマッシュポテトや、ぽろちと配偶者は苦手なため今回は遠慮させていただいたが、カブの一種であるターニップなどを茹でると、ハギスへの愛が更に加速するだろう。

そしてこちらが、茹で上がったハギス。


温かいうちにビニールをハサミで切ってはがし、お皿に付け合わせのマッシュポテトなどと添える。


 ハギスにウィスキーソースをかけると更に美味しくなるのだが、今回配偶者はグレイビーソースがお供。ぽろちは何もかけずにいただく。


香辛料がほどよく効いていて、やはりおいしい。ちなみにぽろちは、ハギスを白米にのせて食べるのが好きで、ハギスは白米のおかずにもなる万能食材!頻繁に食卓に登場しては、ぽろちと配偶者を満たしてくれている。また、余ったハギスはコロッケへと生まれ変わり、ハギスコロッケは配偶者が大好きなので、もう我が家はハギスなしでは生きていけない。

みんなでハギスを食べよっ!!
Previous
Next Post »